よりよい医療を受けるために
パーキンソン病と診断されてから8年になりました。8年で5人のドクターに診てもらいました。どのドクターもとても良い先生でした。慢性疾患ですからドクターと信頼関係が上手く築けるかどうかは大切なことです。医師は患者の話や訴えをじっくりよく聞くことが必要でしょう。短い診察で患者はどれほどのことも言えない、言ってもなかなか医師に届かない。医師は高所から病人の問いに「答えにならない医学的知識」を述べる。若い医者になるほどその傾向がある。患者が症状を言うと「そんなはずはない」と言う。患者からの訴えや不安や問題をよく聞かないで正確な病気の診断をすることが出来るのだろうか。人間を診ないで検査データだけしかみない医者が多くなった。そこには信頼関係も生まれてこないだろうと思う。医者や看護師は患者の重い病、難病、耐えかねる痛みなどについてどれだけ理解しているのだろう。と思う。患者の苦しみや不安は、脈拍や血圧などのバイタルだけでは分らない。患者の苦しみや不安を汲み取ることの出来る感性を持っているかどうかで患者との関係もかなり違ってくるだろう。
患者自身の意識も変えなければならないと思う。ある程度自分の病について知識を持つ事も必要だろう。お任せしますという態度は、死んでも文句は言いませんと言っているようなものだ。医者に任せておけば治るという気持は捨てることである。医者といえども分らないことの方が多い。検査データに現れなければ「何ともない、気のせいでしょう」と言われる。データに現れない事もかなりある、自分にしか分らない痛みや症状を分ってもらうのはなかなか大変だ。解ってもらうまで何度でも訴えていくしかない。自分の身は自分で守るというくらいの気持を持つこと。場合によっては患者の側から情報を発信することも必要かもしれない。
垣根を超えて
パーキンソン病は運動障害だけでなく、多彩な症状を持っている。病が進んでくると、構音傷害、嚥下障害、排尿障害、精神症状、自律神経症状などが現われてくる。身体の動きを改善することが一番大事なことだと思うけれど、QOLという面を考えると、どれも患者にとってはかなり深刻な問題である。自律神経障害だけみても便秘、体温調節障害、浮腫み、脂肪分泌の異常などどれもQOLの低下に繋がる。それに精神的な問題が加わってくるとますます深刻さを帯びてくる。神経内科医だけでそれらをカバーするのは難しいと思う。出来れば内科医、精神科医、などと連携し様々な症状に対応して欲しいと思う。それとリハビリの専門医、栄養士さんとの連携も出来たらして欲しい、パーキンソン病に限らず神経難病は手強い。チームでの連携医療を心から望んでいるのは私だけではないだろう。
最近の医療について
医療ミスが多発している。ニュースで報道されるのは氷山の一角だと思う。病院に行くのが恐くなる。最新機器や色々な薬が出てきた、検査も色々な方法で行われるようになった。ある程度マニュアルに従っていれば臨床経験の少ない医師でも、そこそこのことは出来る、いわゆる職人的な医者が少なくなったことが要因のひとつのような気がします。(最近、話題になっている本、漫画ですが医療の在り方を考えさせられます。知人が送ってくれました。是非御一読下さい。)
『ブラックジャックによろしく』 佐藤秀峰作 講談社現在8巻まで刊行されています。
医療は抗生物質が出てきて、結核や天然痘などの病を克服した時がピークで(最近は耐性菌の問題も出てきて深刻な問題になっていますが)そこから基本的には進んでいないと思えてなりません。色々な薬が出てきてそれで助かる人も沢山います。しかし効けばその分副作用も強い、病で悪くなるより薬の副作用で悪くなる場合もかなりあるのではないかと思います。検査にしてもかなり危険な検査がある。病を治す為の検査で命を落としていく。恐いことです。病気になっても却って何もしない方がいい場合がある。風邪がその良い例ですね。熱が出たら解熱剤を使って熱を下げる。熱は身体を元に戻そうとして出る、それを薬で無理に下げると何もしないより直りが遅くなる。薬を使うと自然に備わっている治癒力が働かなくなるような気がします。
私はパーキンソン病になって8年目です。今、薬の副作用に悩まされています。もし生活に支障をきたすというギリギリの所まで薬を飲まずにいたら、これほど辛い思いを味わうことはなかったような気がしてなりません。パーキンソン病の薬は劇薬です。現在起こっている症状の半分は薬の副作用によるものと思います。私はこの病気になるまで、風邪をひいても、お腹や頭が痛くても眠れなくても薬は飲まないできました。この病気になって薬が増える度に身体の調子が変になっていった。Lドーパは病が進んでくると欠かせない薬ですが、全然飲まない人とどんな違いがあるのかと?思います。そのような比較をした研究はないので分りませんが。順天堂病院に入院していた時に、4、5年前から手が振るえていたけれど放っていたという55歳の人がいました。振るえが酷くなってきたので始めて病院にきたと話していました。アゴニストを飲んで少し振るえが減少し、少量のドーパ剤でピタッと振るえが止まりました。彼女が4、5年前に病院に行っていたら、副作用で苦しみもっと状態が悪くなっていたのではないかと思いました。
医学の進歩が却って患者を苦しめ新しい病を作り出しているような気がします。勿論、恩恵も沢山受けていますが・・・。 人間は3万数千個近い遺伝子があるそうです。遺伝子の数はチンパンジーとさほど変わらないそうですが・・・。その中から病の原因、遺伝子の塩基配列異常がかなりわかってきたそうです。もう少しで総ての検索が終わると聞きました。単一遺伝子の異常で起こる病は総ての遺伝子が特定されているとの事。しかし今の段階では遺伝子治療出来る病はほとんどありません。病になっても昔のように何もしないで流れに任せるほうが良いような気がします。死ぬ時は死ぬだろうし、治る時は治る。薬を飲むと一時的に楽になるけれど身体の調子は段々変になる。副作用で苦しみながら生きているより、少しくらい人生が短くなっても何もしないで生きて死ぬ方が、自然な形の命の有り方(終り方)ではないかと思う今日この頃です。
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